痛くてだるい人、のんたかです。
親から受けた傷が消えない、許すとラクになれるって本当?
先日、持病の定期受診でそういう話になり、対処法を教わったので紹介しようと思います。いい歳していつまで言ってるんだと思われるような年代の方も自分を責めないでください。
結論から言うと、親を許すか許さないかというのは心身共に健康でないと向き合えない問題なので時期が来ないと出来ないという話です。個人的事例ですが書いてみようと思います。
主治医は漢方内科専門、内科、心療内科の医師です。
問診内容と処方
2020年9月中旬、猛暑も落ち着き体調は上向いている感じだがメンタルに不調あり。1~5歳頃の母の記憶がよみがえり涙することがある事を伝えました。すると主治医は具体的にどのようなことを思い出すのかと問いただしました。
私は思いつくままに話しました。
- とにかく母は私をたたいた。頬が腫れ上がるほどに。
- 口答えをすれば口の中に手を入れて皮がはがれるほどつねった。常に口の中が痛く血の味がした。
- 話しかけても無視されることは多かった
- 笑うと気持ち悪い、どうしてそこにいるの?生きてるの?と言われていた。
- 幼稚園では母の日に母の絵を描けないほどになっていた。
続いて私の口からついて出たことは次のようなことでした。
- すぐ下の赤ん坊の世話が大変で、今で言う産後・育児うつだったのかもしれない。
- 1970年代の田舎では少ない核家族だったし子育ては母親の責任という時代で大変だったのかもしれない
- 私が集団にとけこめない性格だったが今のように支援制度もなく他の大人に怒られていたのかもしれない
主治医は、一通り聞いたあと半夏厚朴湯(漢方薬)を処方することを私に伝え、気持ちの対処法について説明していきました。
気持ちの対処
主観と客観を分ける
大切なことは主観と客観を分けることだそうです。
ここでいう主観とは子供の頃に感じた感情です。
- たたかれて、つねられて痛かった、悲しかった
- 無視されてつらかった、かまって欲しかった
- 暴言をあびせられて傷つき、苦しかった
そしてここでいう客観とは大人になって考えてみれば…という感情です。
- 母は心の病気だったのかもしれない
- 時代による周りの価値観と情報のない中で大変だったのかもしれない
客観的な感情を得ている事自体は前に進んでる状態なのだそうですが…
主観を封印する必要はない
親に対して客観的視点を持てるまで相当な葛藤があるにもかかわらず、主観である子供の時の気持ちをごちゃ混ぜにして封印する人は多いのだそうです。体や心の不調があると思い出してしんどい事実はここにあるのに。薬の力を借りつつ苦しまずに過ごそうというのが主治医の考え方でした。
薬の力を借りつつフラッシュバックに対応する
対処すべきは主観、つまり子供の頃に感じた感情がよみがえってしまった時のことです。
まずは薬(半夏厚朴湯)を飲み、食事と睡眠をしっかりとる。涙が出なくなりフラッシュバックしなくなったらそれでよし。でも思い出すようなら、自分に起きた悲しい出来事を他人事の様に考える癖をつけるという方法です。
例えば、私たちはテレビやネットで悲惨なニュースを目にしているが自分が直接怪我をしたり傷ついたりしいるわけではないですよね。かわいそうな主人公のドラマを見て心を痛めても見終わったら現実に戻ります。当たり前ですが他人事なんです。全部自分の事としてとらえてしまったら皆ショックで病気になってしまいます。
昔のつらい映像が頭の中をかけめぐったら、テレビや映画の映像として置き換えてながめる。映像が終了したら『おわり』のテキストをそえて次の関係ない楽しい番組を見るのです。
フラッシュバックに襲われて延々と考えてしまう時ってどうしようもないので難しいと思いました。でも、そこは薬が効いてくれてすんなり対応できました。薬の力をかりるのは大切なのです。
カウンセリングを受けた方が良いのかどうか
こういう問題について専門家に相談した方がいいのか主治医に聞いてみました。私のメイン症状は痛くてだるい事でそれを診ていただいている医師ですから。
話を聞いてもらって気持ちが楽になるぶんには良い
現状では保険適応ではないため人によっては経済的負担がストレスになりうる
カウンセラーによっては傷つく恐れがある。例えば昔のことだし忘れよう、乗り越えようと言う方向になるとつらくなるなるだけ。乗り越えるには心が強くないとできないので現状では難しい。
今回の場合、客観的には過去を処理できているので、やることは主観的な感情(フラッシュバック)のへの対処とわかっている。
確かに、いちから説明する労力を考えると信頼関係を築く点でも体力が追い付かないと思い今回は見送りました。
まとめ
① 親を許すという作業は心身ともに強くないとできない。
② 大人になって振り返れば、そういうことなのかもという客観的視点を持つ事自体難しい。
③ 主観的視点と客観的視点は分ける。
④ 睡眠と食事はしっかりとろう。
⑤ 薬の力を借りるのは大切。
⑥ フラッシュバックがきたら一歩引いた視点で映像を傍観できるように練習しよう。
⑦ カウンセリングを受けるのも手段のひとつ。
⑥については心理学の世界ではよく使われる方法だそうです。
親を許すか許さないか、答えとしては無理して許すことはないというところでしょうか。受けた傷はなかなか癒えるものではありません。親が年老いたり他界して許せる人、パートナーや子を得て癒されていく人、時がたっても怒りが増してしまう人、本当に人それぞれだと思います。
忘れられないなら忘れなくていい、乗り越えられないのはまだ心と体が整ってないのです。薬が効くのであればそれを助けに対応する方法を知って人生を進めていけたらいいなあと思う次第です。
★おわり★
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